
「突然、視界にギザギザした光が見えた」
「キラキラしたものが広がって、文字が読みにくくなった」
「視界の一部がチカチカして、見えにくくなった」
このような症状が突然起こると、
「目の病気では?」
「網膜剥離では?」
「脳の病気では?」
と心配になると思います。
このような見え方の代表的なものに、閃輝暗点(せんきあんてん)があります。
閃輝暗点の多くは、片頭痛に関連して起こる一時的な視覚症状です。
頭痛が起こることもありますが、キラキラ・ギザギザした見え方だけで終わり、頭痛が起こらないこともあります。
また、一度だけではなく、発作として繰り返すことが多いのも特徴です。
この記事では、閃輝暗点の見え方や特徴、受診した方がよい場合について、眼科の立場から分かりやすく説明します。
1.閃輝暗点とは?見え方と特徴

閃輝暗点では、視界の一部に、
- キラキラした光
- ギザギザした線
- チカチカする光
- 稲妻のような光
- 万華鏡のような模様
- 見えにくい部分や視野の欠け
などが現れます。
患者さんによって表現はさまざまですが、典型的には最初は小さな光や見えにくい部分として始まり、数分かけて少しずつ広がっていきます。
そして、多くは5~60分程度で消えて、元の見え方に戻ります。
「突然すべてが見えなくなる」というより、
キラキラ・ギザギザしたものが少しずつ広がっていく
という経過が特徴的です。
閃輝暗点は「目」ではなく、脳の視覚機能に関係することが多い症状です
閃輝暗点では実際に目の前に光が見えるため、
「目がおかしくなった」
と感じます。
しかし、典型的な閃輝暗点は眼球そのものの異常ではなく、脳の視覚を担当する部分で一時的な変化が起こることによって生じると考えられています。
そのため、典型的な閃輝暗点では、症状は片方の目だけではなく、両眼に共通する視野の中に現れます。
2.閃輝暗点は繰り返す?頭痛との関係
閃輝暗点は、一度だけでなく発作として繰り返すことがあります。
発作の頻度には大きな個人差があります。
数か月あるいはそれ以上あいて起こる方もいれば、短い期間に何度も繰り返す方もいます。
以前から、
「いつも同じようなギザギザが見える」
「20~30分くらいすると消える」
「そのあと頭痛が起こる」
など、ほぼ同じパターンを繰り返していることは、診断を考えるうえでも大切な情報になります。
一方で、
- 急に発作の回数が増えた
- これまでと見え方が変わった
- 以前より長く続くようになった
といった変化がある場合には、一度医療機関で相談してください。
片頭痛の前兆として起こることがあります
閃輝暗点は、片頭痛の「前兆」として起こることがあります。
キラキラ・ギザギザした症状が消えたあとに、
- ズキズキする頭痛
- 吐き気
- 光がまぶしい
- 音がつらい
などの片頭痛症状が続くことがあります。
頭痛が起こらないこともあります

閃輝暗点が起こっても、そのあと頭痛が起こらないことがあります。
そのため、
「頭痛がないから閃輝暗点ではない」
というわけではありません。
以前から同じような発作を繰り返し、数十分程度で完全に元に戻っている場合には、頭痛を伴わない片頭痛の前兆であることもあります。
ただし、初めて起こった場合や、中高年になって初めてこのような視覚症状が出た場合には、ほかの病気との区別が必要になることがあります。
3.片目だけに見えるときは?
患者さんから、
「右目だけギザギザして見えました」
「左目の端だけキラキラしました」
と聞くことがあります。
しかし実際には、片方の目だけではなく、両目で見たときの右側、あるいは左側の視野に症状が出ていることがあります。
片目ずつ隠して確認してみましょう
もし発作中に確認できる余裕があれば、片目ずつ隠してみてください。

右目を隠してもキラキラが見える
左目を隠しても同じ場所に見える
のであれば、両眼に共通する視野の症状である可能性があります。
一方で、本当に片方の目だけが見えにくくなっている場合には注意が必要です。
眼の血流障害など、閃輝暗点以外の原因による一時的な視覚障害もあります。
片眼だけに起こる「網膜片頭痛」という病気もありますが、これは非常にまれです。
4.初めての症状・注意が必要なケース
閃輝暗点の多くは片頭痛に関連する症状ですが、眼や脳の病気でも似たような視覚症状が起こることがあります。
例えば、脳の血流が一時的に悪くなる一過性脳虚血発作(TIA)や、眼の血流障害などでも、一時的に見えにくくなることがあります。
典型的な閃輝暗点では、
- キラキラ・ギザギザしたものが見える
- 数分かけて徐々に広がる
- しばらくすると元に戻る
という経過をとることが多くあります。
一方で、
- 突然、視野が欠けた
- 急に暗くなった
- 最初から症状が完成した状態で始まった
といった場合には、ほかの病気についても考える必要があります。
症状だけで完全に区別できるわけではないため、特に初めて起こった場合には自己判断しないことが大切です。
特に受診をおすすめするケース
次のような場合には、一度医療機関を受診することをおすすめします。
- 初めてキラキラ・ギザギザした症状が出た
- 本当に片目だけに症状がある
- 見え方が元に戻らない
- 中高年になって初めて起こった
- 発作の回数が急に増えた
- 以前とは症状の出方が違う
- いつもより長く続く
- 手足のしびれ・麻痺を伴う
- 言葉が出にくい、ろれつが回らない
手足の麻痺や言葉の異常を伴う場合には、脳の病気の可能性もあります。
このような場合には、通常の外来を待たず、119番で救急車を呼ぶなど、速やかに救急受診してください。症状が治まっても、受診が必要です。

高血圧や心疾患などがある方では、初めての症状に注意
高血圧や心疾患があるからといって、キラキラした症状の原因が必ず血管の病気というわけではありません。
ただし、
- 高血圧
- 心房細動などの心疾患
- 糖尿病
- 過去の脳梗塞や一過性脳虚血発作
などがある方では、脳や眼の血流障害についても考える必要があります。
特に、
「これまで閃輝暗点を経験したことがなく、今回初めて起こった」
という場合には、一度医療機関に相談してください。
5.発作が起きたときの対応・受診先
まず安全な場所で休みましょう
閃輝暗点が起こったら、まず慌てず安全な場所で休んでください。
車を運転している場合
視野の一部が見えにくくなるため、安全な場所に停車し、症状が治まるまで運転しないでください。
発症した時間を確認する
何時ごろ始まったか、何分くらい続いたかを確認しておきましょう。
症状の持続時間は、診断を考えるうえで大切な情報です。
片目ずつ確認する
可能であれば片目ずつ隠して、
「両目で同じところに症状があるのか」
「本当に片目だけなのか」
を確認しておくと、診察の参考になります。
症状をメモしておく
- キラキラだったか
- ギザギザだったか
- 視野が欠けたのか
- 徐々に広がったのか
- 何分続いたのか
- 頭痛があったのか
- 手足のしびれなどがなかったか
などを記録しておくと役立ちます。
発作を繰り返す方では、発作が起こった日や回数を記録しておくことも診察の参考になります。
受診先について
突然視界がキラキラ・ギザギザして、
「目の病気なのか分からない」
という場合には、まず眼科で相談していただいて構いません。
眼科では必要に応じて眼底などを確認し、眼に原因となる病気がないかを調べます。
眼に異常がなく、閃輝暗点が疑われる場合には、症状に応じて脳神経内科、脳神経外科、頭痛外来などへの受診をおすすめすることがあります。
頭痛を繰り返している場合には、片頭痛そのものについて脳神経内科や頭痛外来で相談するとよいでしょう。
6.よくあるご質問(Q&A)
Q. 閃輝暗点は失明しますか?
典型的な閃輝暗点は一時的な視覚症状で、多くの場合は元の見え方に戻ります。
ただし、視力低下や視野の欠けが残っている場合には、典型的な閃輝暗点と自己判断せず、眼科を受診してください。
Q. 頭痛がなくても閃輝暗点ですか?
はい。
頭痛を伴わず、視覚症状だけで終わることがあります。
ただし、初めて起こった場合や、中高年になって初めて症状が出た場合には、ほかの病気との区別が必要になることがあります。
Q. 片目だけでも閃輝暗点ですか?
典型的な閃輝暗点は、両眼に共通する視野の中に現れます。
本人には片目だけのように感じることもあります。
発作中に可能であれば、片目ずつ隠して確認してみてください。
本当に片方の目だけが見えにくい場合には、眼科で確認することをおすすめします。
Q. 閃輝暗点は何分くらい続きますか?
典型的には5~60分程度です。
症状が長時間続く場合や、見え方が完全に元に戻らない場合には受診してください。
Q. 閃輝暗点は何度も繰り返しますか?
はい。
閃輝暗点は発作として繰り返すことがあります。
頻度には大きな個人差があり、数か月以上あいて起こる方もいれば、短い期間に何度も起こる方もいます。
急に回数が増えたり、症状の出方が変わったりした場合には、一度相談してください。
Q. 閃輝暗点は眼科と脳神経内科、どちらに行けばいいですか?
「目の病気なのか分からない」「今回初めて起こった」という場合には、まず眼科で相談していただいて構いません。
眼に異常がなく、片頭痛などが疑われる場合には、必要に応じて脳神経内科や頭痛外来などへの受診をおすすめします。
7.まとめ
突然、
「視界がキラキラする」
「ギザギザした光が見える」
「チカチカした模様が広がる」
という症状が起こった場合、閃輝暗点の可能性があります。
閃輝暗点は、
数分かけて症状が広がり、5~60分程度で消えることが多く、発作として繰り返すこともあります。
多くは片頭痛に関連する一時的な視覚症状で、頭痛を伴わないこともあります。
一方で、眼や脳の病気でも似た症状が起こることがあります。
特に、
初めて起こった
本当に片目だけに起こった
中高年になって初めて起こった
発作の回数や症状が急に変わった
いつまでも見え方が元に戻らない
手足の麻痺や言葉の異常を伴う
といった場合には、自己判断せず医療機関を受診してください。
「キラキラして見えたけれど、これが閃輝暗点なのか分からない」
「目の病気ではないか心配」
という場合には、眼科でご相談ください。
いしの眼科クリニックでは、必要に応じて視力検査や眼底検査などを行い、眼に原因となる病気がないか確認します。必要に応じて脳神経内科・脳神経外科などへの受診をご案内します。
枚方市・樟葉、八幡市周辺で視界のキラキラ・ギザギザが気になる方へ
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